いつも心にミュージック。

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「いつも心に太陽を」…はビートルズの時代の1967年、イギリス映画のタイトルですが、「太陽を」、と、わざわざ心に掲げるのはキツイときもあります。心に明るさを意識することは生活を送る上でとても素晴らしいことであります。それをわかってはいてもそうもいかず苦しいときもあり。…それはそうと、実は、太陽は雨が降っていても、曇っていても、夜でも嵐でも、この世界に存在します。私たちが特に心に掲げなくても、世間を暗いニュースがにぎわせる時もたんたんとそこで輝き、世界のどこかは眩しい朝をいつも迎えています。

そんなことより、デイケア。
直方中村病院デイケアでは身体を動かすレクや自然に親しむ園芸や農耕のプログラムや手芸などの物作り…等、種々様々な創造的なプログラムがあります。その一つとして2017(平成29)年頃から手話コーラスや楽器演奏、歌作りなど音楽を用いたプログラム「セッション」の活動を毎週火曜日行っていました。(※2021年2月まで。「セッション」プログラムは2022年現在休止)そこで歌作りや作曲活動に関わっていた有志メンバー3名と週1,2回一時間程度、2022年の現在でも昼休みにデイケアの片隅に集って音楽活動を続けさせていただいています。公式なプログラムではないため、「続けさせていただいている」、という表し方をしますが、飽くまでも好きでデイケアの時間を利用して集まっている同好の有志です。休憩中に音を出しても快く黙認してくださるデイケア利用中の参加メンバーさんと、そっと時間と場所を提供してくださるデイケアスタッフ、行ってらっしゃい、と気持ちよく送り出してくださる連携室内外の上司・同僚の方々が、まるで静かに燃える太陽のようにささえとなってくださるおかげで…売りものにもならないひょろひょろの作物のような活動でも細々と続いてきています。そもそもデイケアのメンバーの皆様とも2021年のクリスマスの時期くらいまでは、デイケア行事での発表の機会に多様な音楽セッションを通じて心通わせ思いを開放する「コール&レスポンス」の場面があったのです。

ところが、時は我々の音楽活動のみへの影響にとどまらず、人々全体の人流を止める現象にぶつかっていきます。音楽以外でも行事の中止など表出の場の制限を余儀なくされ、COVID-19が精神的な治療の場面にも少なからず干渉していました。
それでも、名もなきバンドの音楽への熱い思いは出口を信じて続いています。ライブを行う機会は遠のいていくばかりでしたが、詞を書くメンバーさんが、新しい言葉を変わらず紡ぎ出すと、一語一語大切に降り注がれるようにメロディを私と宛てていきます。その瞬間を逃さないようにギターのメンバーさん、ピアノのメンバーさんとで新譜に引き込まれるようにしてコードを確認し、共有しながら無我夢中で一体になって創る面白さはつのるばかりです。ただ、作った曲を奏者以外の皆でシェアできる機会と、「いつ」と望むこと自体をメンバーさんに伝えられず、精神保健福祉士の私自身苦しい思いを押し込んで笑っていました。メンバーさんも寂しい思いを隠して笑ってくださっていたと思います。

2021年の早春、新しい風が吹きます。バンド活動の主要メンバーであるDr.の三苫先生より、「メンバーさんが主体性を持ってせっかく続けてきているので、なんとか形にしましょうよ」と、苦しい思いを掬い取るような言葉をかけていただきました。内心、塞いでしまうことを怖れていた我々の背中を押す思いがけない一筋の光です。昨秋頃まで練り上げてきた数曲の練習の機会に、動画配信サイトでの音楽の発表をバンドメンバーさんに提案し、メンバーさんも意表を突かれた様子でしたがすぐに全員が賛同。目標が出来て練習に今まで以上に力が入り、自然に笑顔がこぼれました。メンバーさんは何度も何度も弾き直し、何度も何度も歌っています。喋る時間は少ないですが、皆、同じ音を通じて気持ちは一つになれる事を知っていました。

こうして、2022年1月、世界のどこでもない、ここにしかない心の歌を届ける道筋が現れ始めました。
ささえ…の曲はそうしてささえ、ささえられている世界から希望をこめて、どんなときでもどんなすべての方々の存在に感謝を贈りつづける讃歌です。聴いて下さったかた、これから聴いて下さる方々、皆様、ありがとうございます!

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温故会 ささえ
https://youtu.be/76gCzW6lHeA 

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文責・ 直方中村病院PSW 田中